「感情で損をするな」
仕事中にカッとなってしまった。
同僚の言動にイライラして、集中が切れた。
あとから思い返して、「なぜあんなことで…」と自己嫌悪になる。
こうした“感情の暴走”をどう扱うかは、仕事の質を左右する。
古代ローマの哲学者セネカは、そんな問題に答えを出した人物のひとりだ。
・ストア哲学とは「心の筋トレ」である
セネカが属した「ストア派」は、感情のコントロールを重要視する哲学だ。
彼らはこう考える。
「出来事そのものが人を傷つけるのではない。それをどう受け取るかが問題なのだ」
セネカはこれを徹底し、どんな状況でも冷静さを保つ訓練を続けた。
怒り、不安、焦りといった感情を自分の外に置き、理性の主導権を手放さないことを説いている。
・セネカの哲学をビジネスに活かす3つの視点
・「怒りは損失である」と知る
セネカは言う。「怒りは一時の狂気である」と。
怒りによって判断を誤ると、信頼も成果も失う。
だからこそ、怒りを「感じたとき」ではなく「感じる前」に備えておくことが重要になる。
・コントロールできないものに悩まない
セネカは、「自分の意志で変えられないものに執着するな」と説いた。
天気、上司の機嫌、過去の失敗など、自分の外にある要素に心を乱されることがどれだけ無意味かを、冷静に見つめる視点を養う。
・「今この瞬間」に集中する
ストア哲学の核心は、「今、何をすべきか」に集中する姿勢だ。
成果が出るかどうか、他人にどう思われるかを考えるのではなく、目の前の行動に意識を戻す。
それが、感情に左右されないパフォーマンスにつながる。
・まとめ
セネカの哲学は、次のようなビジネスマンに刺さる。
- 感情的になりやすく、あとで後悔することが多い
- メンタルの浮き沈みに仕事が影響してしまう
- 不安や怒りに強くなりたいと思っている
感情で損をしない人になる。
セネカの哲学は、それを実現する実践的なトレーニング理論でもある。
次回は「カント」をテーマにお届け予定。
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